9世紀に始まったチェコ・スロバキアのガラス工芸は、16世紀のルネサンスの影響を受けてエナメル彩やダイヤモンド彫り等の細工のボヘミアングラスが本格的に発展しました。ヨーロッパの王侯や貴族の間で愛好されてきたこのボヘミアングラスは、500年以上に亘って"ガラスの錬金術師"と呼ばれる名工職人に受け継がれ、世界屈指のガラス工芸品として各国元首をはじめ世界中の人々に愛用され続けています。1832年にB・F・エーゲルマンによって創立され、世界で初めて表面着色に成功したボヘミアガラスを代表する名窯「Egerma/エーゲルマン」は、チェコの伝統的工芸品・ボヘミアガラスの中でも独特で鮮やかな色彩を持つガラスに彫刻装飾を施した「エーゲルマンガラス」として特に有名です。約３５年前にカナダ・バンクーバーの骨董品店で見つけたもので、いわゆる「エーゲルマンレッド」と云われるルビー色ガラスの表面にロココ様式のエングレービング（彫刻）を施したフルーツ・コンポートです。この赤いガラスは万病を癒す魔法の力を持っていると信じられており、バロック時代以降大変人気があります。骨董品店主によればかなり古いものらしく、最近のものとは異なり「色あい・彫刻」ともに何とも云えない深い味わいがあるとのことでした。サイズは直径約22cm、高さは17cm 材質はカリクリスタルガラス